プライバシーポリシーは、ひな形をそのまま貼ると、実際には取っていない情報の項目が並び、使っている外部サービスが書かれていない、という食い違いが起きやすい書類です。取り扱う情報は、店舗や教室なら予約・問診・写真・防犯カメラ、通販なら注文・配送・決済、健康や心身の相談なら症状や音声、会員制のサービスなら投稿やメッセージというように、業種によって大きく違います。このガイドでは、個人情報の保護に関する法律が求めている「公表」「通知」「明示」を軸に、取得の場面ごとに何をどう書き分けるか、書きすぎ・書き足りない・実態と合わないといった、よくある不備をどう見分けるかを、条文に沿って順に整理しています。自分でホームページや予約ページを持ち、プライバシーポリシーを初めて載せる方、見直したい方、審査で修正を求められた方が、自分の事業の実態と文章を突き合わせるための解説です。アプリの規約づくりや、法人間の個人情報の取扱契約は、別のガイドで扱います。

プライバシーポリシーを初めて載せる方

鍵のマークが表示されたスマートフォン

法が求める記載と、任意の記載を分けて考える

プライバシーポリシーという名前の書面そのものには、法律上の定義がありません。法が求めているのは、利用目的の特定、取得したときの通知・公表・明示、保有個人データに関する事項を本人の知り得る状態に置くことなどで、これらを1枚にまとめたものが一般にそう呼ばれています。

まず、自分の事業が個人情報取扱事業者に当たるかを確かめ、取得の経路ごとに何を取っているかを洗い出すところから始めます。ひな形の項目は、その後で当てはめます。

店舗・サロン・教室を運営する方

教室の机に道具と材料が並んでいる様子

紙の問診票も、写真の掲載も、書き分ける

来店型の事業では、紙の問診票やカウンセリングシート、LINE、予約システム、決済端末など、情報の入口が分かれています。ホームページ型のひな形では、これらが抜け落ちやすくなります。

施術やレッスンの写真・口コミを掲載するときの利用目的の置き方、子どもと保護者の情報の扱い、屋号だけで運営している場合の事業者名と窓口の書き方も、場面ごとに整理します。

健康・心身の相談サービスを運営する方

木の床に敷かれたマットとブロック

医療機関ではなくても、要配慮個人情報は問題になる

体調や症状、心身の悩みを聞き取るサービスでは、病歴などを含む記述が要配慮個人情報に当たり得ます。要配慮個人情報は、あらかじめ本人の同意を得ないで取得してはならないのが原則です。

症状・音声・顔や口腔内の写真など、項目ごとに目的と保管の方法を書き、外部のサービスに送るときの説明まで整えます。

通販・会員制サービスを運営する方

ノートパソコンに写真が並んだ画面

注文から配送までの情報の流れに沿って書く

ショップサービスで開店すると、プラットフォームの標準文とは別に、自分の店が取得する情報の書き方が必要になります。決済代行、配送業者、プラットフォームのうち、誰が持つ情報かを区別して書きます。

メルマガ・広告への利用、会員の退会後に残す情報、利用者が投稿する情報と運営が取る情報の線引きも、あわせて整理します。

外部サービスや防犯カメラ・録画録音を使う方

ノートパソコンに映るオンライン画面と観葉植物

「提供しません」と書く前に、情報の流れを確かめる

予約システム、決済、メール配信、クラウド、アクセス解析、広告、外部のAIなど、情報が外部に渡る場面は、委託・第三者提供・外国にある事業者への提供・外部送信のどれかを検討して書き分けます。

防犯カメラや、オンライン面談・通話の録画録音も、取得する以上は目的の公表や通知が問題になります。掲示の文面、保存期間、警察などへの提供の書き方を整理します。

窓口や改定、不備の点検でお困りの方

鍵穴に差し込まれた古い鍵

開示請求の窓口、改定の手続、不備の点検

保有個人データについては、事業者の名称・住所、利用目的、請求の手続などを本人の知り得る状態に置く必要があります。住所を出したくない、窓口が準備中、手数料が「別途定める金額」のみ、といった書き方には注意が要ります。

改定のたびに同意を取り直すのが難しいときの考え方や、自分のポリシーの不備を見分ける点検の順番も整理しています。

このガイドの解説ページ

よくあるご質問

個人事業主や小さなお店でも、プライバシーポリシーは必要ですか?

法律が置いているのは「プライバシーポリシー」という名前の書面ではなく、個別の義務です。顧客名簿や予約の記録のように、個人情報を検索できるように整理して事業に使っていれば、個人事業主や小さな店でも個人情報取扱事業者に当たります(個人情報保護法16条2項)。そのうえで、取得した個人情報の利用目的の通知または公表(21条1項)、申込書など書面で直接取るときの利用目的の明示(21条2項)、保有個人データに関する事項を本人の知り得る状態に置くこと(32条1項)が求められます。これらをまとめて載せる書面が、実務でプライバシーポリシーと呼ばれています。

ひな形や作成ツールで作った文章を、そのまま載せてよいですか?

文章が整っていることと、自分の事業の実態に合っていることは別の問題です。実際には取っていない項目が並んでいる、予約システムや決済、メール配信など使っている外部サービスが書かれていない、「第三者に提供しません」と書きながら情報を外部に渡している、といった食い違いが典型です。取得する場面の洗い出し、利用目的、外部サービスの区分、窓口の順に、実態と突き合わせて書き直します。

利用目的は「サービス向上のため」と広く書いておけば安全ですか?

利用目的は、できる限り特定しなければなりません(17条1項)。広く書きすぎると、特定として足りないおそれがあるうえ、書いていない目的、たとえば広告への掲載や分析、新しいサービスの開発に使いたくなったときに困ります。利用目的を変更するときは、変更前と関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えてはならず(17条2項)、変更後の目的は本人に通知または公表します(21条3項)。特定した利用目的の範囲を超えて使うには、あらかじめ本人の同意が必要です(18条1項)。

「サービスを利用した時点で同意したものとみなします」と書けば、同意を取ったことになりますか?

法律が本人の同意を求める主な場面は、要配慮個人情報の取得(20条2項)、特定した利用目的を超える取扱い(18条1項)、個人データの第三者への提供(27条1項)、外国にある第三者への提供(28条1項)などで、場面ごとに定まっています。これらの場面で、利用開始時の包括的な「みなし」の一文だけに頼るのではなく、何について同意を求めているのかが本人に分かる形で、その場面ごとに取ることが基本になります。改定後に利用を続けたら同意したとみなす書き方の限界は、「改定・同意」のページで扱っています。

予約システムや決済サービスを使っているとき、「第三者に提供しません」と書いてよいですか?

外部のサービスに情報が渡っていても、それが第三者への提供に当たるとは限りません。利用目的の達成に必要な範囲で個人データの取扱いを委託する場合、提供を受ける委託先は第三者に該当しないとされています(27条5項1号)。ただし、委託にとどまるか、サービス側が自社の目的でも使うか、事業者が外国にあるか、ブラウザから外部へ情報が送られるだけか(個人関連情報、電気通信事業法27条の12の外部送信規律)によって、検討する条文が変わります。「提供しません」と書くなら、実際の情報の流れを確かめたうえで書きます。

安心してご依頼いただくために

作成実績

契約書作成 年間1,000通以上・累計5,000通以上(2026年10月時点)

草案

お申込み後、ヒヤリング回答から1書類あたり24時間以内に草案作成

修正・加筆

修正・加筆は納品まで何回でも無料、納品後の軽微な修正も無料

対応日

365日・深夜休祭日もLINE・フォームで対応

対応の詳しい内容を見る

このサイトの解説は一般的な情報です。ご自身の事業に当てはめた確認や、契約書作成をご希望の方は、運営事務所のご案内をご覧ください(相談無料)。

運営事務所・ご相談のご案内

監修:アトラス行政書士法人(代表社員 荒木素子・特定行政書士) 最終確認日:2026年10月15日